約半年カジュアル面談をやってきて、なんとなく分かってきたことを書いてみる。
カジュアル面談に対する認識
カジュアル面談の目的は、相互理解を深めると(主に採用側からの)アトラクトの2つだと考えている。
相互理解を深めることで、ミスマッチを防ぐことができたり、求職者と採用側それぞれが知りたいこと/アピールしたいことを効率的に質問する/伝えることができる。相互理解の具体例としては下記のようなイメージ。
- 求職者 → 採用側
- 現在の開発面での課題
- チームの雰囲気や大事にしている価値観
- 採用側 → 求職者
- 転職検討理由
- 今後やっていきたいこと
また、主に採用側の目的となるが、アトラクトも重要。カジュアル面談より後の選考ステップでは採用側から求職者についての質問等が主となり、アトラクトする機会は多くない。また、アトラクトが弱いと選考に進んでもらえない可能性も高くなる。
求職者についての理解を深めて、それを踏まえて適切にアトラクトを行うことが大事。
事前準備
相互理解とアトラクトを行うために、求職者情報の確認と魅力を感じた点の整理を面談前に行っている。
求職者情報の整理とは、具体的には下記のようなことを行っている。
- 履歴書、職務経歴書、アウトプット(e.g. Github, Qiita, Zenn…)に目を通す
- 現所属企業について調べてみる
企業名 + 求職者名
などでWeb検索してみる
所属企業について調べることで理解を深めるための質問のきっかけを得られたり、Web検索でインタビュー記事がヒットすれば経験や価値観をより知ることができるので、履歴書などの基本的な情報以外も確認するようにしている。
魅力を感じた点の整理では、例えば下記を1〜3個程度まとめておく。
- これまでの経験で、転職後も活かせそうな(≒自分たちのチームと親和性がありそうな)もの
- アウトプットを見ていいなと感じた点
- 履歴書等の書きっぷりからうかがい知れるポジティブな印象
面談実施
どういう場にするかすり合わせる
求職者のカジュアル面談というものの捉え方やそれに対する期待値は人によってのバラつきが大きいと感じる(e.g. 「採用側からの説明を受けたい」「対話によってマッチ度を探りたい」「自分のスキル等をアピールしたい」)。
求職者と採用側で目的や期待値をすり合わせるために、面談の冒頭で下記を伝えている。
- 相互理解を深める場にしたい
- 企業の理解を深めるだけでなく、求職者についての理解も深めたい
- 他に期待していることがあれば教えてほしい
上記を踏まえて、時間配分を調整したり、会話内容を変えたりしてできるだけ期待に添えるような場にすることを意識している。
会社説明
会社説明はいつも同じ紹介資料を使って行っているが、前提知識の多寡や求職者が特に知りたいポイントによって、説明内容は変えるようにしている。具体的には下記を意識している。
- 説明開始前に、特に知りたいポイントがあるか聞く
- e.g. 事業面、技術面、組織面
- 同業界の経験があったり知識があるか
- 自分は現在金融系のソフトウェア開発を行っているので、投資経験の有無等を聞くことが多い
- 求職者が知りたい、採用側が理解してほしいポイントを重点的に話す
- 説明資料の各ページを同じ時間かけて話さない
- MVV、事業内容等は丁寧に説明するが、従業員や福利厚生などは特にアピールしたいポイントではないのでサラッと説明
- 一方的な説明ではなく、対話を含めるようにする
- e.g. 「うちだと、コミュニケーション取りやすいようにZoomを繋ぎっぱなしにしているんですが、〇〇さんのところではどんな感じでコミュニケーション取っているんですか?」「ドキュメントをしっかり書く文化があるんですが、〇〇さんのところではどうですか?」
見定め感を減らす
個人的に、カジュアル面談はあくまで気軽にお話する場であり、評価することはできるだけ減らしたいと考えてい?(印象等はどうしても評価に影響してしまうことはあるが、「カジュアル面談では評価しませんよといいつつ裏では評価する」みたいなことは誠実じゃないよね、という気持ち)。とはいえ、相互理解を進める上では質問も必要なので、気軽な雰囲気を壊さないように気をつけている。
その他
その他気をつけていること、意識していること。
- 誠実に対応する
- 分からないことは分からないと言う
- もし選考進んでもらえるなら次回回答できるように担当者に申し送る旨も伝える
- 分からないことは分からないと言う
- アトラクト
- 話を盛りすぎない範囲で積極的に行う
- つい求職者にプラスになるような表現をしたくなるが、過度に話を盛るのはNG
- 「興味持ってもらえなかったら嫌だな」などと消極的になるのもNG
- 候補者の意向度はカジュ面がピークで、その後の選考を経て緩やかに下がるそう
- 話を盛りすぎない範囲で積極的に行う